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ヒノキを知る 香川の林業家をたずねて vol.1

父が育てた上質なヒノキ。背中を追って林業の道へ

 香川県の山間の町、まんのう町。両脇を山や田畑に挟まれた県道に沿って車を走らせると、徳島との県境近くに林業家・豊田均さんの山があります。県内では珍しい専業林業家として、一帯の山々を守り続けてきました。
 まんのう町に山を持っていたという理由で、林業を始めたのは先代の頃。
「今は町へ向いて仕事に行くけど、昭和30年代は山に仕事があった。うちの山にも人が集まってくる中で、私も小学校に上がる前から父親について山に入ってましたよ」と振り返ります。

 多くの人を率いて山を守っていた先代は、太さ3.5寸(10.5㎝)から4寸(12㎝)の柱材の生産を目標として、ヒノキを育てていました。まったく節のない柱材に仕立てるために、まだ太さが9cmに満たないくらいから、こまめな枝打ちをしていたそうです。

 そのこだわりと信念で、根元からてっぺんまで均一な太さの無節材の生産を成功させました。枝打ちをする分、生長は遅くなります。しかし時間をかけることで、豊田家の山からは目がギュッと詰まった、丈夫で美しい木がとれるようになりました。そんな風に、林業に情熱を注ぐ父親の姿を見ていた幼少期。豊田さん自身も同じ世界を志すのは、必然だったといいます。
 高校は汽車で40分ほどかけて、林業科のある徳島県の学校へ通ったという豊田さん。木や山についての知識を得て、卒業後はいよいよ林業家として歩み始めました。

(記事掲載協力:IKUNAS)

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