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ヒノキを知る 香川の林業家をたずねて vol.2

美しいヒノキが育つことを、多くの人に伝えたい

 美しい山―。
 豊田さんの山を知る人たちがそう口を揃えるように、実際にその山に足を踏み入れると、想像以上の明るさに驚きます。これは山がきちんと管理され、丁寧な間伐がなされている証拠。聞けば広大な山をエリアに分け、木の成長に合わせて7年から10年の間隔で間伐をしているそうです。
 そして伐採した木は、自然乾燥へ。時間短縮できる人工乾燥が主流の中、あえて時間をかけて自然乾燥させるのは、美しい色を保ち、特有の香りを長く楽しむため。木の魅力を最大限に引き出すために、こだわっていることの一つだそうです。もちろん先代がしていたように、質の良い木に育てるために、こまめな枝打ちも欠かせません。細く長いはしごに上り、1本ずつ枝を打つ地道な作業の繰り返しによって、健やかな山が維持されています。

 豊田さんは20年ほど前から、木の文化を復興させたいという思いに強く共感したのがきっかけで、これから家を建てる家族に山に入ってもらい、大黒柱にするヒノキを伐採しています。
「これまでは自分が切った木の行き先を知ることはなかった。だから、伐採に立ち会った家族が喜んでくれるのを目の当たりにすると嬉しいですよ」

 今後については「手入れしたこの山を次世代に残したい」と豊田さん。長く守ってきた山への思いは、今も変わることがありません。

(記事掲載協力:IKUNAS)

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